2026/02/10
ファッション業界では、毎年9,200万トンもの繊維廃棄物が生み出されています。Moon Creative Lab発のベンチャー「Variloom」のアパレル&テキスタイル・デザイン/開発リードを務めるベサニー・ミューレナーズにとって、これは単に「管理すべき問題」ではなく、「再発明の余地が大きく残された業界」そのものです。
NYを拠点とするアパレルおよびテキスタイル業界のサプライチェーンに特化したB2Bメディア「Sourcing Journal」 のインタビューで、ベサニーは、Variloomが、3Dプリンティングとバイオベース素材を活用し、より速く、クリーンで、そして需要に即応できるファッションの未来をどのように切り拓いているのかを語りました。

業界における大きな誤解の一つは、「サステナブル素材」というラベルが製品の責任能力を証明するものだと考えられていることです。
「実際には、本当のサステナビリティは素材そのものをはるかに超えたところにあります。耐久性を考え、消費者のニーズを理解し、真に価値を感じて使い続けてもらえる製品を設計することから始まります。そして、どこで、どのように生産するのかを意図的に選択することも重要です。さらに、製造や流通、消費者の手元に届くまで、そして最終的に製品が役目を終えた後にどう扱われるのかまで、サプライチェーン全体を通して続いていくものなのです」とベサニーは説明します。
Variloomのアプローチの中核にあるのは、オンデマンド型の3Dプリンティングシステムです。カスタマイズ可能なソフトグッズを、必要な分だけ、必要な場所で生産することで、従来は数か月かかっていた生地の設計・製造を、わずか数日で実現し、廃棄物も大幅に削減できます。在庫を持つ必要を減らし、製造拠点を消費者の近くに置くことで、オフショア生産への依存も最小限に抑えられます。

Variloomのもう一つの重要な側面は、特許出願中の柔軟でリサイクル可能な素材です。バイオベースの熱可塑性ポリウレタン(TPU)と、責任ある調達による天然添加物や繊維を独自にブレンドして開発されたこの素材は、消費者が期待する伸縮性やパフォーマンスを備えながら、よりサステナブルで循環型の選択肢を提供します。製品の寿命を終えた後も、素材の品質を損なうことなく、最大3回までリサイクルが可能です。
“廃棄物の大部分は消費者側で発生している”
「廃棄物の多くは消費者側で発生しています。それは、製品の寿命が終わったときに、どうすればよいのかわからないことが多いからです。エンド・オブ・ライフの選択肢を、消費者にとってわかりやすく、取り組みやすいものにするための製品設計や仕組みづくりには、大きな可能性があります。」
ベサニーにとって、サステナビリティの哲学は研究室の中だけにとどまりません。彼女自身、服を必要以上に買わず、質の良い定番アイテムを選び、大切にケアすることを心がけています。
「何年も愛用しているデニムシャツがあるのですが、今では庭仕事やクラフト、汚れてもいい作業用として活躍しています」と彼女は語ります。
「何を買うかと同じくらい、どうやって服をケアするかも、サステナビリティにとって重要なのです。」
“優れたデザインを犠牲にすることなく持続可能性を実現できる”
サステナビリティがVariloomのミッションの中核にある一方で、それがデザインを犠牲にすることを意味するわけではありません。ベサニーが語るように、すべては最初から密接につながっています。3Dプリンティングシステムから特許取得済みのソフト素材、そして製品のエンド・オブ・ライフに至るまで、Variloomはテキスタイル製造における完全な循環型の仕組みを構築しながら、優れたファッションデザインを常に中心に据えています。
「サステナビリティは、優れたデザインを犠牲にする必要はありません。Variloomの技術がもたらす柔軟性によって、オーダーメイドデザインの可能性を広げ、デザイナーにも顧客にも、より大きな自由とカスタマイズ性を提供したいと考えています。私たちにとって、サステナビリティと良いデザインは切り離せないものなのです。」
Variloomの最新の取り組みやニュースは、公式ページでご確認を。
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