瞑想スタジオ、子育てサポート施設、カラオケ店。この3つを掛け合わせるとどうなるか?
Moon Creative Lab(以下、Moon)で社内企業に取り組む、デル・デラ・トーレとグレース・アルダスは、子育て中のママたちの毎日のストレスを軽減するためのコミュニティ「MOM247」のコンセプト開発に取り組んでいます。
シンガポール、マニラ、東京で、数週間にわたって行われたインタビューの結果、新米ママたちが直面している最大の問題は、社会的孤立でした。足りなかったのは、安心して子供たちを預けられ、ママたちが自分たちのための時間を過ごせる場所・施設です。
そうしたスペースがどう機能しているのか、また、母親と子供にとって居心地の良いスペースとはどのようなものかを知るために、私たちは類推研究の考え方を用いて、既存の類似事例から解決策を探すために旅へ出ました。すでにある解決策を目の前の課題に応用することが、類推研究の核心となります。このリサーチ手法には「現物を見て、問題や解決策を理解する」という「現場主義」の考え方があります。
ママたちが安心してくつろげる空間を作るにはどうしたら良いかを考えて訪れたのは、ある瞑想スタジオでした。ここで私たちは、ユーザーを案内すると同時に信頼と安心感のある環境を与えることができる、訓練されたホストの重要性を学びました。
次に私たちが訪れたのは、 政府運営の子育てサポート施設です。怪我などの心配をせずに、子供たちを遊ばせておける場所でのママ同士の関わり方を観察しました。 子供も大人も楽しめる環境とはどのようなものかをリサーチするため、ママ向けのカラオケ店を訪れました。その結果、防音設備、衝撃を吸収するフロア、大人向けの食事・飲み物などが、とても重要であることが分かりました。
私たちはユーザーを観察し、彼らの抱える問題をさらに深く理解して、より良い解決策を設計するための新しい方法論について多くのことを学びました。
MOM247は、瞑想スタジオや子育てサポート施設、カラオケバーを作ろうとしているわけではありませんが、ママたちのための快適で安心できる環境をデザインする上で、これらの場所から学ぶことはたくさんあるということです。
類推思考で研究をしていると、目の前のユーザーや彼らが抱える問題に対する解決策が、すでにどこかに存在していることが多いことに気づかされます。私たちイノベーターの仕事は、なんらかの「原理原則」をまだ実装されていない分野へと応用することなのです。
文/リンダ・パンターレ
Program Manager at Moon Creative Lab
linda@mooncreativelab.com
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