Venture Stories

起業家の第一歩をサポートするプログラム「Space Camp」で得た学び

2022/12/12

起業家に必要な知識やマインドセットは何か?この記事では、三井物産の新規事業創出をサポートするMoon Creative Lab(以下、Moon)が、社内起業家のために実施する準備プログラム「Space Camp」で得た学びを共有します。


目次

  1. 「Space Camp」とは?
  2. Moonの起業家としての第一歩
  3.  課題の洗い出しと視野の拡大
  4. 避けられない事態に備える方法

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どんなことを始めるときにも、準備は必要です。Moonでスタートアップに挑戦するEIRも、新規事業の立ち上げに取り組む前に準備期間を設けます。

スタートアップは簡単ではありません。そのため、Moonではアイデアセッションやプロトタイピング、最小限の実用可能な製品(MVP)の作成などといった具体化に取り掛かる前に、3週間の準備プログラム「Space Camp」を用意しています。

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Inna CircleのEIR、Dell Dela TorreとGrace Aldas

1.「Space Camp」とは?

「Space Camp」のプログラムは、これから背負わなければならない責任、直面するであろう問題などについて学び、必要な知識やマインドセットを身につけ、起業に備えるためのものです。

EIRは、デザイナー、プログラム・マネージャー、オペレーションチーム、その他ファシリテーターの案内を受け、さまざまなバックグランドを持ったメンバーと知り合い、自分のアイデアを共有して世界に届けるための大きな一歩を踏み出します。

 はじめに学ぶのは、挑戦、失敗、そして再試行の繰り返しです。何度も失敗を経験しますが、失敗しても再試行し続けることこそが、起業家として成長する唯一の方法とも言えます。

また、Moonの職場環境に慣れてもらうために、メンバーとのコーヒーチャット、問題の特定とデザインなど、基礎的なアクティビティや学習からはじめ、リーダーシップを発揮するための効果的なコラボレーション、問題領域の設定、コンセプト定義、自分のアイデアを明確に伝える方法などを習得していきます。

2.Moonの起業家としての第一歩

「Space Camp」を完了した社内起業家にその体験を振り返ってもらいました。

母親同士が繋がりサポートし合える安全なコミュニティと、高品質な保育を提供するプラットフォームの開発を目的とした事業「Inna Circle」に取り組むデル・デラトーレとグレース・アルダスは、プログラムを通じて今まで馴染みのなかったスタートアップについて多くのことを学んだと言います。デルは当時のことをこう振り返ります。

「過去から今までのMoonのプロジェクトに関する学びや、多様性のある職場文化、デザイン思考が何であり、どのように適用するのか、リーダーシップとは何か、ピボットとは何か、などを学びました」──デル・デラトーレ

また、キャリアパスを可視化し、一人ひとりのユーザーに合わせたキャリアプランニングやメンターシップの提供を目指す事業「Pioneer Guild」に取り組む成原大敬(なりはら・ひろゆき)は、その第一歩を振り返りこう話しました。

「スタートアップやベンチャーの実践的なノウハウ、他の起業家たちがどのように始めたのかなど、最初のステップを学ぶのに役立ちました」──成原大敬

Hiro Narihaya, EIR of Pioneer Guild
パイオニアギルドEIR 成羽宏氏

3.課題の洗い出しと視野の拡大

プログラムを開始したとき、3人の頭の中はピッチした当初のアイデアでいっぱいでした。しかし、「Space Camp」が重点を置いているポイントは、新規事業創出への需要、解決したい問題の特定、提供する価値です。プログラムでは、それまでのアイデアをより多角的に捉えることが必要とされます。その体験について3人はこう話しました。

 「一歩立ち戻って問題を見直すことで、解決したい問題と、テストが可能な解決策について改めて評価することができました」──グレース・アルダス

「今は最初のアイデアに固執することなく、さまざまな視点でプロダクトのコンセプトや提案できる価値を考えられるようになりました」──デル・デラトーレ

また、成原は「Space Camp」で受けた刺激について、彼自身が今後何をどう達成したいのかを考える良いきっかけとなったとも話し、「前進し続けたいと強く思わせるような貴重な体験だった」と続けました。 

「振り返ると、当初は元々考えていた視野の範囲に集中していたと思います。今ではMoonのメンバーの助けもあり、それまでとは異なる角度から物事にスポットライトを当てられるようになりました。それが良いアイデアに繋がります」──成原大敬 

4.避けられない事態に備える方法

避けられない事態は、そもそも予測できないことも多くあります。どれだけ準備をしても、物事は常に変化し続けているため、必ずしも計画通りに進むとは限りません。それでも大丈夫です。

「Space Camp」で大切だと伝えていることの一つは、逆境に直面したときに、変化に適応する意欲を持つことです。私たちはこのスキルが起業家にとって必要不可欠な要素だと考えています。

「Inna Circle」も、今までさまざまな変化を柔軟に受け入れてきました。

「ピボット(方向転換)は避けられません。変化を受け入れ、自分で舵をとってチームを先導していく方法を学ばなければなりません。私たちはまだインキュベーションの初期段階ですが、これからもピボットを繰り返す可能性があることを十分理解しています」──デル・デラトーレ

「Pioneer Guild」も、「Space Camp」の学びから想定外の出来事に備えられるよう考えを改めました。すべてがスムーズに行くわけではないと柔軟に捉え、避けられない問題や挫折から積極的に学ぶことにしたのです。 

「失敗、拒絶、失望は日常茶飯事になるでしょう。だからこそ、あらゆる問題を乗り越えて生き残るためには、失敗から前向きに学ぶことが必要になります。それは、新しい道を切り拓く起業家にとって、なくてはならない要素です」──成原大敬

起業家の第一歩から得られる学び:

  • 視野を拡大する。当初のアイデアのもっと先まで見据え、より幅広い問題を捉えることで、価値のあるインサイトが得られる。その結果として事業の方向性や核となる目的を明確化できる。 
  • 予測不能な事態は避けられない。柔軟に変化を受け入れ、あらゆる瞬間が貴重な学びであることを忘れない。 

「Inna Circle」の進捗状況は、https://www.theinnacircle.comで確認できます。

「Pioneer Guild」の最新情報も随時お伝えしていく予定です。

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