Venture Stories

3Dプリントでファストファッションと地球環境の両立を目指すには?

2022/06/08

※Moon Creative LabでChief Marketing Officerを務めるメアリー・アン・ギャロが執筆。


正直なところ、私にも罪の意識があります。大体1シーズン、最大でも2シーズンしか着れないと分かっていながら、ファストファッションブランドで最新デザインの服を購入したことがあります。

ファストファッション・グローバル・マーケットの調査によると、このような買い物をしているのは私だけではありません。ファストファッション業界は、2021年の912億3000万ドルから2022年には992億3000万ドルに成長すると予測されています。

ファストファッションとはランウェイに登場したデザインが素早く店舗で販売される低コストなデザイントレンドとして知られていますが、これはファッション業界が抱えるサステナビリティ問題の重大要因です。 

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写真:リオ・レカトムペシー-”Unsplash”

気候変動に関する国際連合枠組条約によると、ファッション業界は世界の炭素排出量の10%を占めており、2030年までに60%以上増加すると予想されています。

では、購入されなかったり、廃棄されたりした衣料品はどうなるのでしょうか?寄付または廃棄された衣類の約80%が埋め立て地に捨てられ、その量は全世界で9200万トンにのぼります。これらの繊維製品は分解に最大200年かかるといわれており、非常にゆっくりとした死を遂げる危険なメタンガスを大気中に放出しているのです。 

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写真:バフロム・トゥルスノフ  - ”Unsplash”

そこで、私たちがファストファッションをリサイクル可能なものにできるとしたら、どうでしょうか?    

3Dプリンティング技術による迅速かつ持続可能なファッションを実現します

Moon Creative Labは、3Dプリント素材の開発によって、ファッションの生産、消費、リサイクルの過程に革命を起こすことを目指しています。

ファッションデザイナーの ダニット・ペレグ(※)とのパートナーシッププロジェクトで、再利用可能なプラスチック・フィラメント(3Dプリンター用の熱可塑性原料)を実際に着用できる生地へと革新させました。

※ダニットの経歴: 2018年のフォーブス誌によるヨーロッパの「Europe's Top Women in Tech」、2019年のBBCによる世界で最もインスピレーションと影響力のある女性100人に選出) この特許出願中の素材は3Dプリント技術を使用して、快適で環境にやさしいファッションをオンデマンドで生産することができます。 

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Instagram: @danitpeleg3d

自宅にいながら、パソコンでファイルを開き、洋服を3Dプリントすることを想像してみてください。流行が変わっても、前の服の素材を再利用して、別の服をプリントすることができます。これこそ、ファストファッションと呼ぶにふさわしいものです。  

Moonは、この新しいテクノロジーと特許出願中の素材を新しい方法で活用するために、大手ファッションブランドと多くのプロジェクトを進めています。まだまだ発展途上の分野ですが、Moonチームとダニットがこれまでに成し遂げてきたことを、私は誇りに思っています。

この革新的な取り組みに関する最新情報は、これからも定期的に共有していきたいと思います。

文/メアリー・アン・ギャロ
Chief Marketing Officer at Moon Creative Lab
maryann@mooncreativelab.com

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