Venture Stories

メタジョブ!が開拓する共感や共有をベースにした新しい仕事の可能性とは?

2023/04/26

時間や場所、外見などにとらわれない新しい働き方を提案するMoon Creative Labの「メタジョブ!」。これまでに、メタバースのイベント会場で案内をするバーチャルスタッフや、アバターを使用した、カラオケルームで楽しめるパーティーゲームのホスト役など、ユニークなお仕事を紹介してきました。

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JOYSOUNDでパーティーゲーム「マーダーミステリー」を行う様子。モニターに写っているのがアバターのゲームマスター役。マーダーミステリーは、参加者が架空の殺人事件ストーリーのシナリオの登場人物になりきって、推理をすすめながらそれぞれに設定された目標を達成するパーティーゲーム。

しかし、メタジョブ!が目指すのは、メタバースやオンラインでのアバターワークの紹介だけではありません。スキマ時間に、好きなことや得意な分野に関する知識や経験でちょっとした収入を得る、そんな気軽なお仕事も開拓しようとしています。口コミ2.0ともいえる体験の共有にどのような可能性があるのか、その事例やその先の未来をご紹介します。

 

目次

  1. ファン(愛用者)や経験者による共感接客とは?
  2. その先にある未来は?

 

1.ファン(愛用者)や経験者による共感接客とは?

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御殿場プレミアム・アウトレットに登場した店員のいないポップアップストア

メタジョブ!は、昨年2022年の12月から2023年1月にかけて、三菱地所・サイモン株式会社と共同で、御殿場プレミアム・アウトレット内にメンズスキンケアブランド「バルクオム」の商品を紹介するポップアップストアを期間限定で展開しました。

このポップアップストア、店員がいないことや、サンプル商品の展示のみで購入は店内のQRコードでオンラインショップに誘導するというのもユニークですが、さらに備え付けのタブレット端末から、いつでもファンスタッフと呼ばれるブランドの商品やサービスを愛用している一般ユーザーと通話が可能で、実際の使用感や商品選びの相談ができるというのが最大のポイントでした。

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商品の購入は店舗内のQRコードから

メンズスキンケアという、まだまだ未経験のユーザーが多いジャンルに関して、利用者の目線から、セールストークではない実際の利用経験談を聞きながらショッピングができるのは、購買を迷っているユーザーにとって大きなメリット。つまり、同じユーザー目線でありながら、“ちょっとだけ先輩”的な立場だからこそできる「共感型接客」が、このサービスの最大の特徴というわけです。

この「ファンスタッフ」というアイデアは、メタジョブの進めている新しい接客のスタイルであり、働き方の一つ。

メタジョブ!では、2023年1月も同様に、広島県が運営する移住促進WEBサイト「HIROBIRO」​​で、アバター相談員によるオンライン移住相談のサービスを提供開始。実際の移住経験者がアバター相談員となり、自身の移住経験に基づいたアドバイスや相談者のライフスタイルに応じた広島暮らしのリアルを個別に伝える役割です。

自治体の相談窓口の職員ではなく、移住経験者として相談に乗ることで、“ちょっとだけ先輩”の立場から共感性の高い相談対応が可能であり、相談員にとっても、在宅で対応できるだけでなく、アバターとして匿名性を確保して対応できることで、物理的・心理的な負担を大幅に軽減できます。

 

2.その先にある未来は?

これらの事例はトライアルの一部。メタジョブ!が目指す先には、まだまだ新しいお仕事の未来が広がっています。

例えば(これもたくさんある未来の一つの可能性ですが)、近い将来、もしかするとさまざまなウェブサイトやメタバースのコンテンツやサービスに、ユーザーからの口コミの掲載に加えて「詳しい人に聞きたい」「利用者の体験を聞きたい」などの機能やボタンが設置されるかもしれません。これをクリックすると、メタジョブ!が、そのジャンルやお悩みの内容に応じて相談に最適な回答者をマッチして呼び出してくれるのです(AIがこのマッチングの作業をするかもしれません)。

そこでお互いの条件が合えば、アバターでのコミュニケーションが発生します。サービスの利用者は、インタラクティブに詳しい人へ質問したり、実際の体験を共有してもらえます。

一方で、メタジョブ!に登録していた回答者は、自分の「好き」だったり「得意」だったり、または「ちょっと変わった経験」を共有することで、旅先や自宅のベッドの上からでも隙間時間で働くことができ、その実績や成果が収入につながる……そんな未来が可能性としてあるということです。ちょっと飛躍していて、あまり実感がない?

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メタジョブ!公式ウェブサイト トップ画面

みなさんは「好きなことで、生きていく」をキャッチコピーにしたYouTubeのCMキャンペーンを覚えているでしょうか。CMが流れ始めた2014年には、まだYouTuberの認知度は低く、将来憧れの職業になるなんて予想している人は少なかったでしょう。

メタジョブ!の試みが未来の「職業」になるかは未知数です。しかし、メタジョブ!はこうした働き方の多様性を追求することで、あらゆる人が活躍できる選択肢を少しでも増やしたいと考えているのです。

「メタジョブ!」の最新情報は公式ウェブサイトで確認可能。星野代表へインタビューを行った「Moon Stories Blog」もぜひチェックしてみてください。

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