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トラクションをどう獲得した?|Orbit Learn 初開催 テニスベア事例

2024/02/20

Moonのインキュベーションプログラムの参加者や卒業生などを対象とした少人数のクローズドな集まり「Orbit Learn」を2024年2️月1日に開催しました。

第1回目のゲストは、三井物産プロジェクト部から社内起業プログラムを活用して2018 年にMoonに出向、現在35万人が利用するテニスコートの検索・予約サイト「テニスベア」を運営する江嵜 慶(えさき・けい)さん。「テニスベアの事例から学ぶトラクション獲得へのアプローチ」についてお話しいただきました。

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テニスベアは、各事業者が分断された情報として保有していた民間テニスコートの空き状況を一括検索できる情報サイトとして、学生時代の知人である江嵜さん、増原さんの2人が2018年にスタート。「屋外でテニスをしたい」コアなテニスユーザー層のニーズを捉え、サイト公開から短い期間で登録ユーザー5000人を達成。

その後、プレイヤー同士のマッチングやコート予約、大会主催機能などテニス愛好家に特化したサービスを拡充しながら、現在は全国の登録施設数220、月間アクティブユーザー35万人を誇るプラットフォームへと進化しています。

イベントでは、テニスベアのトラクション獲得のアプローチについて、最初の5000ユーザーを獲得するまで何に注力したのかや、集まったユーザーをもとにどう収益化していったのか、35万ユーザー獲得までスケールしていく過程でどんな施策に取り組んだのかなど、イノベーション理論に照らし合わせた上位20%層(イノベーター+アーリーアダプター)獲得のためのポイントを紹介。

現在はレイトマジョリティにあたるテニススクール利用者層へのアプローチにシフトしている点にも触れ、自然流入を中心にリソース配分を最適化しながらどのように市場の支持を得てきたかについて紹介しました。

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また、昨年10月にローンチしたボードゲーム愛好家を対象としたプラットフォームボードゲームベアの事例では、ゲームクリエイターをコアターゲット層に捉え、いかに熱量の高いユーザーを特定し、小さくて良いので最初のトラクションを作り出していくかが大切だと強調。

会場からは、今後の価格戦略や、うまくいっていない施策をどこで打ち切るべきか、など具体的な判断基準についての質問などが寄せられたほか、初期の体制やエンジニア採用のタイミングについての質問に回答しました。

 

「MVPまでは時間がかかる。PDCA(PはなくDCAだけでも良い)をとにかく回していくために早くチームをつくることが必要。社内起業の難しいところはエンジニア確保の手段と契約体系。テニスベアも最初の頃は大手IT企業の社内食堂に潜り込んでチラシを配りながらエンジニアを探していた」
 

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今回、社内起業家として参加した江嵜さんは、2009年に三井物産に入社後、港湾、倉庫、鉄道などのインフラ整備プロジェクトに携わる傍ら、2018年に学生時代の友人だった増原 裕之(ましはら・ひろゆき)と一緒に「テニスベア」を創業。Moonが主催する三井物産の社内起業制度を利用し、EIR(客員起業家)としてMoon Creative Labに参画しながら、「テニスベア」をテニス愛好家と民営テニス施設をつなぐ日本最大のプラットフォームへと成長させました。地方自治体やテニス競技団体など様々な関係者を巻き込みながら、DXが深化するこれからの10年を見据えた共同事業創出に取り組んでいます。

Orbit Learn」では、社内起業や事業創出を目指す方々が、同輩や先輩などから学び、相互のリレーション構築と事業成長を加速させることを目的に、月1回程度の頻度で定期開催していく予定です。次回は2024年3月14日。メタバースを利用した拡張テレワーク環境下で新しい働き方を可能にするジョブマッチングサービス「メタジョブ!」を運営する株式会社aequolの星野 尚広(ほしの・なおひろ)代表取締役が参加します。

Orbitに関するお問合せはorbit@mooncreativelab.comまで。

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