*Moon Creative Labのシニアエンジニア、マット・フィリップスと、シニアプロダクトデザイナー、ホアン・ファムが共同執筆。
マット・フィリップス:フルスタックエンジニアとして、プロダクトへのフィードバックや開発、売り込みなど、幅広い視野でテクノロジーによる社会改善やアイデアの実現をサポートする。LLMをキャリアの中で最もクールなものと捉えている。仕事の醍醐味は毎日新しいアイデアを聞けること。
ホアン・ファム:起業家のブレインストーミング、問題定義、プロダクトの開発戦略をサポート。コミュニケーションデザイン、AI会話デザイン、AIワークフローデザインが専門。
AIを使っておもちゃがつくれるクリエイティブスタジオツール「Adofaer」のファウンダー、ステフィー・デンがMoon Creative Labのパロアルトスタジオを訪問しました。「Adofaer」は、だれでもカスタムトイをデザインし、プロトタイプ1個から大量生産まで、あらゆる規模で創作することができる世界初のツールとなり得ます。
ステフィーは過去にMoon東京スタジオで開催したワークショッププログラムへ参加したことがあり、Moonはプロダクトとビジネスの開発をブラッシュアップするサポートを提供しました。その後、パロアルトスタジオでより集中的なワークショップを個別に提供する機会もありました。
おもちゃのデザインと生産は、費用と時間がかかるほか、その工程に多くのボトルネックが存在してます。私たちは「Adofaer」との議論で、おもちゃ産業の課題について知ることができたほか、その結果として、創設者の前に立ちはだかる障壁を取り除くいくつかのパターンについて学ぶことができました。
ステフィーはおもちゃについて分子レベルで理解していると言えるほどの洞察力を持っています。彼女は成型されたばかりのプラスチックの匂い、おもちゃが店頭に並ぶ直前の最終的な絵の具の筆使いについてなど、プロダクトのデザインから、工場での生産、顧客の手に届くまでの間にある複雑なプロセスがどのように絡み合っているかを知っていました。本人も仕事中毒を認めるほど業界に貢献してきたと言います。
独自の考えを持ちながら絶え間なく実践を重ねてきた彼女は、多くの人が理解に苦労するであろう専門的な知識を、他者にわかりやすく伝え、構築し、実現する能力を持っていました。この深い専門知識と構築能力の掛け合わせが、他の人には見えないチャンスを見出す原動力となっているのでしょう。
生成AIモデルを使えば、あらゆる趣味分野のファンユーザーに、長年のデザイン知識や経験がなくても特別なものをつくることができる環境を提供できます。AIを効果的に導入すること自体が芸術と言えるのです。
ステフィーがおもちゃ業界を深く理解していたことで、私たちはどの伝統的なプロセスに「破壊のチャンス」があるのかを素早く特定することができました。
また、アイデアをスケッチしてワークフローをテストすることで、どうすれば複数の機械学習技術(拡散モデル、メッシュ生成、インテリジェントレンダリングなど)を、一つのシームレスなクリエイティブプロセスに落とし込めるのかがわかってきました。この相互に連携するアプローチは、今後のAIデザインツールの特徴となりつつあります。
ステフィーの活躍の場は香港を拠点としながらも幅広く、複数のマーケットをナビゲートする能力は必要不可欠なものと言えるでしょう。最もたくましい起業家たちは、単一のエコシステムの中だけで活動せず、世界中の知識、ネットワーク、リソースを活用します。
たとえば、ステフィーは中国における製造業での経験と、日本やアメリカの知財法への理解を深めながら、ヨーロッパや中東でのパートナーシップを育んでいます。
サプライチェーンが不安定で、デジタルプラットフォームが国境を越える時代において、グローバルな思考——つまり異業種や異地域からの知見をつなぎ合わせること——ができる人ほど、自らを成功に近づけることができるのではないでしょうか。
サッカーチーム「レアル・マドリード」とのパートナーシップを含め、私たちは「Adofaer」の成長にわくわくしています。あなたもオリジナルのおもちゃをデザインしてみませんか?
「Adofaer」の最新情報は、公式Xアカウントでチェックを。より詳しい情報は、公式ホームページ(Adofaer.com)にてご覧いただけます。
大胆なビジョンを持つ起業家のみなさまへ。Moonパロアルトスタジオが提供するインキュベーションプログラム「Moon In-Residence」は、あなたのような創設者がアイデアを実現できるよう支援することを目的としています。一緒に未来を作りましょう。
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