Studio Stories

Boost #2 “PITCH & CONNECT” Event Report

2024/09/05

2024年8月6日(火)、Moon東京スタジオでスタートアップのピッチとネットワーキングのためのイベント「Boost PITCH & CONNECT」を開催しました。イベントは会場、およびZoom Webinarによる配信のハイブリッド形式で行われ、来場者とオンライン参加者を含め、200名超が集まりました。イベントでは、Moonのスタートアップ支援プログラム「Boost」第2弾となる24年春期コホートに参加したスタートアップから15社がピッチを実施しました。

DSCF2095.jpg

DSCF2220.jpgDSCF2337.jpgDSCF2041.jpg

15 startups

購入できるベビー用品レビュー&ランキングサイト。BEFFY Inc.が運営。創業者は金木 りな(かねき・りな)さん。

ファイナンスとテクノロジーで流通ビジネスの成長を支援。創業者はヤン・シューアマンスさん。

全国の大学生を対象としたインターンシップ・就職オリエンテーションアプリ。株式会社ライトローズが運営。創業者は谷内 拳(たにうち・けん)さん。

健康志向のビーガンスナック。第1弾はグミビタミン。創業者はロイヤン・ワフィ・プジヤントさん。

観光客向けに日本の地方でのドライブ旅行の計画を簡素化。創業者は、音 卓二郎(おと・たくじろう)さん。

  • FitVit

健康志向のビーガンスナック、第1弾商品はビタミングミ。 創業者はシワード・ルディンさん。

音声による地域のガイド/ナビゲート。創業者は山中 享(やまなか・とおる)さん。

伝統的な回収システムをデジタル化する、サーキュラー・エコノミー・テック・プロバイダー。創業者はアディ・サイフラ・プトラさん。

物流機能を備えた小規模自転車店管理プラットフォーム。創業者はジョーダン・スコットさん。

ドライバーがオーナーから車を予約できるカーシェアリングマーケットプレイス。創業者はニク・ムハマド・アミンさん。

スクリーニングと模擬面接のためのAIビデオ面接。創業者はアグネス・ウンさん。

短編動画による地域商品のマーケットプレイス。創業者はサルマン・アルジミーリさん。

  • SnapTap

スマートフォンのキーボード拡張アプリによるカスタムギフトマーケットプレイス。創業者はティト・グントゥル・サフィルダさん。

賞味期限間近の食品を格安で販売するマーケットプレイス。創業者はマキシム・ハーツェンさん。

  • V-bay

日本からの輸入中古車に特化したオンライン・オークション・プラットフォーム。創業者はノリーン・ナワズさん。

スタートアップの相互支援の種を蒔く出来事でした

DSCF0675 (1) 2.jpg
Davide Petrillo
Boost Director, Moon Creative Lab.

Davide「Boostの使命は、アーリーステージのスタートアップが持つプロダクトアイデアがマーケットにフィットするよう磨き上げの支援をすることであり、Moonや専門家によるメンターシップ、支援的な起業家コミュニティ、実践的なガイダンスへのアクセスを提供することです。選ばれたスタートアップには、投資支援を受ける機会もあります。

今回も同様に、Boost #2コホートに参加した28のスターアップのうち15社が、Moonのリーダーシップチームや投資チームのメンバーの前で、自社のプロダクトやサービスを売り込みました。イベントはエネルギーと革新に満ち溢れ、様々な地域から集まったスタートアップが会場とオンラインのハイブリッドで参加しました。50%が日本、50%がAPAC地域からの参加で、食品・飲料、デジタルリテール、AIベースのHRTech、ファミリーウェルスなど、様々な業界の参加者がおり、ピッチイベントは多様なアイデアと起業家精神に満ちたものとなりました。

ピッチ後はBoostの前コホート参加者による2つのパネルディスカッションが行われ、プログラム終了後のスタートアップの成長と進化についてのインサイトを得ることができました。最後のネットワーキングイベントでは、Boostに参加したスタートアップがMoonや三井物産、その他の業界のリーダーたちと食事をしながら活発に交流しました。とくにエキサイティングだったのはリクルート関連のスタートアップの交流で、Moonの既存スタートアップ、Boostの現参加者、そして次期コホートへの応募者も、様々な国から起業家が一堂に会して未来の働き方について語り合ったことです。ラム終了後のスタートアップの成長と進化についてのインサイトを得ることができました。

最後のネットワーキングイベントでは、Boostに参加したスタートアップがMoonや三井物産、その他の業界のリーダーたちと食事をしながら活発に交流しました。とくにエキサイティングだったのはリクルート関連のスタートアップの交流で、Moonの既存スタートアップ、Boostの現参加者、そして次期コホートへの応募者も、様々な国から起業家が一堂に会して未来の働き方について語り合ったことです。それは力強く、潜在的なパートナーシップや成功への道筋における相互支援の種を蒔く出来事でした。

24年度のコホート#2は終了し、現在は9月10日から始まる夏期のコホート#3に向けて準備を進めています。応募は常時受け付けており、今後もアーリーステージのスタートアップ企業を支援するという私たちのミッションを継続していきます。すべての企業の未来が楽しみでなりません」

トークセッションからの学び

Group-2160.jpg
(写真左)株式会社インターホールディングス CEO 成井 五久実(なるい・いくみ)さん
(写真右)Suup ファウンダー Moon Creative Lab 投資チーム 堀口 翔平(ほりぐち・しょうへい)

ピッチ後には、2つのトークセッションが開催されました。トークセッション#1では、創業からわずか1年での事業売却を果たし、現在インターホールディングスの代表として、真空特許技術によって食品物流変革とカーボンニュートラルの実現に取り組むシリアルアントレプレナーの成井 五久実(なるい・いくみ)さんと、元MoonのEIR(社内起業家)で、空きスペースを無人コワーキングスペースに転換するサービス「Suup」の立ち上げから事業譲渡までを経験し、現在はMoonの投資チームに在籍する堀口 翔平(ほりぐち・しょうへい)が対談。事業の創造から譲渡、その次のステップまでと、幅広い体験と視点が語られました。

両者がとくに共感したのは、成井さんが過去に経験したメディア事業と現在の事業の立ち上げの違いについて振り返った際、創業から事業譲渡までを経験することで得られる学びがいかに次の事業創造の選択肢を増やすかについて話したときでした。社内起業家が個人起業家に対して感じる引け目や、女性起業家が事業の市場規模の小ささを指摘されやすいことなど、起業にまつわるさまざまな悩み・葛藤にも話題は広がりましたが、感じていた不安が勘違いでしかなかったことを紹介するエピソードや、小さな実績が次の道を切り拓いた実体験など、起業家を勇気づける体験談が多く語られました。

堀口「起業時の自分にアドバイスするなら、とにかく早く行動し、検証し、必要なピボットを繰り返すことの重要性を伝えます。そして、起業をするうえでは、とにかく大きなことを目指し、優秀な仲間を見つけることが大事です。この2つは相互に作用していますので、本当にこれだけといっても過言ではないほど重要だと思っています」

成井「私にとって、早いうちに様々な人の協力を得ながら事業創造、プロダクト開発、組織開発、M&Aまでを経験できたことは幸運でした。この経験によって、次のステップではよりスケーラビリティに集中できるようになりました。最初の創業で培った経験値、成果、コネクションは、2度目の創業に無限の選択肢を与えてくれます」

堀口「現在は投資の仕事をしていますが、5年間培った起業の経験がスタートアップ投資をするうえで起業家の話を理解することに大いに役立っています。自分は起業家タイプか投資家タイプかと問われれば、前者。いつか2度目の起業にチャレンジしたいと思っています」

成井「女性起業家は少ないと言われますが、男性よりも注目されることがあり今はむしろ追い風と捉えることもできます。たとえ市場規模が小さくてもいいので、とにかく成果をつくり、その実績で次の運を呼び込むことが大事です。環境を自分でつくることが重要だと思っています」

Group 2160.jpg
写真左から、モデレーターのFUKURY.LLC Founder CEO 齊藤 悠貴(さいとう・ゆうき)さん、サステナブル・ラボ株式会社 執行役員 COO 高橋 浩太郎(たかはし・こうたろう)さん、株式会社ディライト 共同創設者兼CEO 案野 裕行(あんの・ひろゆき)さん、株式会社Atsumell CEO 山口 公徳(やまぐち・きみのり)さん。

トークセッション#2のテーマは、事業成果と成長スピードを左右するスタートアップの組織づくりについて。4人の登壇者が共同創業者や創業メンバー探しの体験談、そこから得た学びをシェアしました。株式会社ディライト案野さんからは、Yコンビネーターの提供する共同創業者マッチングツールの紹介や、政府やアクセラレータの支援についてアドバイスが。

「日本はお金があり、東京は大きく、大企業も支援プログラムもたくさん存在しています。こんな環境はなかなかありません。その環境をフル活用するのが良いと思います」。

自身マッチングツールで出会った人々にインタビューを続け、相手に起業家適正テストを受けてもらい、自分とは違うタイプの人物を選んだことが結果的に良かったと共同創業者探しの経験についても語りました。

また、株式会社Atsumellの山口さんは、事業がピボットする際に創業メンバーが移籍してしまった経験を語り、「プロダクトへの共感を軸にすれば共同創業者は見つけやすい。しかし、スタートアップにピボットはつきもので、モチベーションを共有し続けるのは難しい。高いレベルでビジョンの共有が必要」と語りました。

ピッチで知り合った人とやり取りを継続

SNSで継続的にビジョンをアピール

ビジョンを共有する運命的な出会い

共同創業者マッチングツールを活用

起業家適正テストの実施

自分と違う性格の人を共同創業者に

政府・東京・アクセラレータの起業支援をフル活用

「Boost」の詳細はこちらで確認できます。

BOOST_GRAPHICS_FLAT 5.png

Share on

Related stories

デザイナーが活躍する場はまだある?

Read More

ファシリテーターは船長ではなく「方位磁針」。

Read More

Join the Moon Community!

Get early access to news, workshops, and events across our Palo Alto and Tokyo studios.