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デザインプロトタイプは必要?答えはYES!理由を解説

2025/02/25

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このブログの執筆者: Subaru(Ting Yan Wong)。Moon Creative Labのデザインリード。プロダクトデザインとリサーチを通じてインパクトあるソリューションを生み出すことに情熱を注ぐ。eコマースやロジスティクス、ヘルスケアの分野で、ビジュアル、プロダクト、ブランディングに携わりながら、イノベーションに注力し、生活をより豊かにするためのデザインを追求。デザイン、プロダクト・イノベーション、ビジネス戦略とクリエイティブ・ソリューションの連携に関心がある。 


デザインツールの役割が進化するとともに、従来の「デザインプロトタイプ」のプロセスを踏まずに、直接コーディングする「テクニカルプロトタイプ」へ進むことが増えているようです。果たしてデザインプロトタイプはいまだに必要とされているのでしょうか?私の答えはイエスです。

一見、直接テクニカルプロトタイプを進めたほうが早くアイデアを可視化できるように感じられます。が、工程を減らすことだけが効率化につながるわけではありません。なぜ従来のデザインプロトタイプがクリエイティブのプロセスに必要なのかを解説します。

 

デザインプロトタイプとテクニカルプロトタイプの違い

はじめに、デザインプロトタイプとテクニカルプロトタイプの違いについて説明します。
 

  • デザインプロトタイプ:視覚・体験の確認を目的とした、ワイヤーフレーム、モックアップ、クリック可能なプロトタイプ。Figma、Sketch、Adobe XDやペーパークラフトで作成可能。
  • テクニカルプロトタイプ:技術的な実現可能性・性能の確認を目的とした、操作性・機能性のあるプロトタイプ。開発に時間がかかり、エンジニアのリソースが必要。
     

デザインプロトタイプは具体化を進める初期段階のテストフェーズと言えます。ユーザーのフィードバックを受けながら素早く改善とテストを繰り返し、柔軟に内容を改善していきます。コーディングに移る前にコンセプトを洗練させることができます。

テクニカルプロトタイプは、機能を実際に操作できる状態でテストするため、より正確に実現可能性を評価し、技術的課題を発見することができます。

例えば、あなたがコミュニケーションアプリの設計の初期段階にいるとします。何度かユーザーテストを繰り返した後、ユーザー体験を向上させるためにチャット画面のレイアウトを変更することにしました。Figmaのワイヤーフレームなら数分で調整を行うことができますが、コーディング後の開発環境ではプロセスが複雑化しており改善が遅れる可能性があります。

デザインプロトタイプは、さまざまなアイデアを検討しながら改善をすばやく繰り返すことで、高コスト化しやすい開発時の手戻りを減らすことができます。


デザインプロトタイプの価値:体験の革新に集中できる

初期段階でデザインプロトタイプを行う最大の利点の1つは、技術的な制約に縛られないことです。エンジニアリングのサポートを受ける手前の段階であるため、実装方法を心配しすぎることなく、革新的なインタラクションや直感的なユーザー体験をデザインすることに集中できます。

また、テストに参加するユーザーも、技術的な細部に気を取られることなく体験そのものに集中できます。その結果、より本質的なユーザーの反応を引き出すことができ、予期せぬインサイトの発見や、余計なバイアスを排除したイノベーションを生み出すことが可能になります。

つまり、最初にユーザー体験を優先してプロトタイピングを行うことで、クリエイティブの限界を押し広げたうえで、開発前のビジョンを洗練させることができるのです。

 

テクニカルプロトタイプはいつ必要?

ここまでデザインプロトタイプの導入効果について説明してきましたが、重要なのはデザインプロトタイプとテクニカルプロトタイプそれぞれの性質を知り、いつ使うべきかを見極めることでしょう。そのためにも、プロトタイプを作成する前に目的を明確化する必要があります。

まずは、下記の質問に答えられる状態を目指しましょう。
 

  1. どの段階にいるのか?
  2. なぜプロトタイプが必要なのか?
  3. なにをテスト・検証しようとしているのか?
     

そのうえで、適切なプロトタイプを戦略的に選びます。一般的には、2つの重要なシナリオにわけられます。

  • デザインプロトタイプ:①初期段階において、②アイデア出しと利害関係者との調整のために、③ユーザー体験を検証する、という目的で使用します。
  • テクニカルプロトタイプ: ①実装する前に、②技術的な実現可能性を確認するために、③プロダクトの性能をテストする、という目的で使用します。

デザインプロトタイプは、リスクを最小限に抑えながら、UXを改良し、十分に検証されたアイデアを準備することで開発リソースを効率的に使用するために役立ちます。

一方、テクニカルプロトタイプは、ローディング時間、応答時間、フレームレート(FPS)、レンダリング速度、全体的な応答性など、実現可能性とパフォーマンス要因を分析するために非常に重要です。

 

ハイブリッドにアジャイル開発を続ける

理想は、チームのアプローチを一つに限定しないことです。柔軟であり続けること。ハイブリッドであり続けること。つねに自問し続けましょう。
 

「このプロトタイプの目的は何か?」
 

その答えを見出すことこそが、きっとプロジェクトを成功へと導く最も重要なプロセスでしょう。

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